HOME  症状  検査  妊娠週数  分娩経過  産後経過  新生児  さくいん  

Presented by Kitramura-Hosp.com


症状 よくある質問 検査結果 妊娠週数 分娩経過 産後経過 新生児  さくいん おすすめ商品
 分娩時のショック状態(産科ショック) 
産科ショックとは、妊娠中や分娩時に産科の疾患によって起きたショック状態をいいます。 
   
産科でショック症状の原因になるもの 妊娠中〜分娩〜産褥期に起こるショック状態の90%以上が異常出血による出血性ショックで、残りがその他のショック状態です。 
  出血性ショックの原因疾患

妊娠初期 流産
子宮外妊娠
妊娠中期〜末期 前置胎盤
常位胎盤早期剥離
妊娠末期〜分娩時 子宮破裂
子宮内反症
弛緩出血
頚管裂傷
腟壁裂傷
癒着胎盤
帝王切開術時 前置胎盤
常位胎盤早期剥離
双胎(多胎)妊娠
子宮筋腫合併妊娠
反復帝王切開術後
血液凝固障害による出血 播種血管内凝固
血液凝固因子障害

その他

妊娠中〜分娩時 仰臥位低血圧症候群
敗血症性ショック(敗血症性流産)
分娩〜産褥期 羊水塞栓
肺血栓塞栓症
敗血症性ショック(産褥熱)
   
症状 顔面蒼白・冷感・頻脈・冷汗で症状が始まり、次第に呼吸困難・チアノーゼ(全身酸素不足)・血圧低下・末梢血管虚脱・乏尿〜無尿などが一連の症状として起こります。
お母さんのがショック状態に陥ると胎盤へ流れる血液が遮断されて、赤ちゃんは十分な酸素などがお母さんから供給されなくなり胎児機能不全〜胎児死亡へ陥ることになってしまいます。

お母さんのからだは、出血が増えてショック状態になると全身の血液量の維持を図るために、末梢血管の収縮・心拍数の増加・腎臓から水分の再吸収などを行います。これでも間に合わなくなると、生命維持に必要な臓器(脳・心臓など)へ優先的に血液を流し、胎盤などの生命維持に必要のない臓器への血液供給量は減少します。
しかし、さらに出血が続くと生命維持機能も破綻してしまい、DIC〜多臓器不全〜死亡へと不可逆的な状態へ進行してしまいます。
 
 
   
診断 産科ショックのほとんどの原因は、妊娠中も分娩時も出血による場合が多いです。そのため原因治療が外科的な治療によることが多く、その時期が遅れれば不可逆的な状態に陥り救命困難に陥ることもあります。原因疾患と全身状態を把握し、早期に原因の除去とショックに対する治療を行います。ショック状態の重症度判定には、ショックスコアを用います。

ショックスコア
検査項目   スコア 
0 1 2
収縮期血圧  100以上 80〜100 60〜80 60以下
脈拍数 100以下 100〜120 120〜140 140以上 
Base Excess -5〜+5 ±5〜±10 ±10〜±15 ±15以上 
尿量(時間) 50以上 25〜50  0〜25 0
意識状態 清明 興奮〜応答遅延  極度の応答遅延 昏睡状態
上記5項目の合計点数で評価します。  0〜4点:非ショック  5〜10点:軽症〜中等度のショック  11〜15点:重症ショック 
   
治療 抗ショック療法
 1)気道の確保と酸素投与
 2)輸液:点滴により循環血液量の確保のために、必要量を急速輸液を行う。
 3)輸血:出血量と同量の輸血を行う。
 4)薬剤投与:血圧確保、心臓保護、不整脈治療、利尿剤、ステロイドなどを必要に応じて用います。
 5)DICの可能性があれば、その治療を行います。
 Copyright (C) 2009.internethospital. All Rights Reserved.