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 子宮外妊娠
  子宮外妊娠とは、受精卵が子宮腔以外の場所に着床するものをいいます。
原因としては、子宮の奇形・人工妊娠中絶・卵管の奇形・卵管内膜症・クラミジアなどによる卵管の炎症などがあげられますが、不妊症の治療中に起こる事もあります。
 
   
分類 受精卵が着床する場所によって分類します。

@卵管膨大部妊娠
A卵管峡部妊娠
B間質部妊娠
C頚管妊娠
D卵巣妊娠
E腹腔妊娠
F子宮内外同時妊娠
G帝王切開瘢痕部妊娠
 
 
   
症状と診断 最近は、経膣超音波診断により妊娠早期(妊娠4週後半)に胎嚢(妊娠部位)の確認が可能なため、尿による妊娠検査陽性後、子宮内に胎嚢が確認されない場合は子宮外妊娠を疑い妊卵の着床部位を特定します。
子宮外妊娠に共通する症状は、突然始まる腹膜刺激症状(下腹部を手で押した時よりも離す時の方が痛い)を伴った下腹部激痛です。

★卵管妊娠
卵管膨大部妊娠(子宮と反対側の1/3の部分)が約70%を占め、卵管峡部妊娠は子宮に近づくほど頻度は減ります。
1)卵管流産
 卵管膨大部に着床後@ある一定期間は妊娠継続しますが自然流産を起こして、同部位に卵管血腫、卵管 周囲血腫や子宮後血腫を起こします。(血腫→血の塊)
2)卵管破裂
 膨大部よりも子宮寄りに着床した卵管峡部妊娠Aや間質部妊娠B場合に起こりやすく、破裂と同時に大量の出血が腹腔内に起こります。特に間質部妊娠Bでは、診断が難しく子宮破裂を引き起こし大出血することがあります。
上記どちらも、着床後暫くは無症状な状態をたどりますが、一度流産や破裂を起こすと少量の不正出血の後、突然の下腹部痛や上腹部痛、腹膜刺激症状などを起こし、時には腹腔内出血でショック状態におちいる事も有ります。

★頚管妊娠
妊卵が卵管から子宮腔内に移動してきて、さらに正常な子宮腔を過ぎて、子宮口付近Cに着床してしまった状態です。診断は、超音波診断装置やMRIによっておこないます。症状は、不正出血やときに大出血を起こします。

★卵巣妊娠
妊卵が卵巣内に着床してしまった状態です。症状は卵管妊娠に似ています。

★間質部妊娠
子宮から卵管へ移行する辺りの妊娠をいいます。この部分は妊娠しても子宮の膨らみが悪いために妊娠3〜4ヶ月で破裂してしまいます。

★腹腔妊娠
原発性(始めから腹腔内に着床)と続発性(卵管妊娠が腹腔内に押し出されて着床)に分類されますが、いずれにせよ症状は、卵管妊娠に似ています。まれに妊娠末期まで、無症状に経過して生児を得ることもあります。

★子宮内外同時妊娠
子宮内と子宮外に同時に妊娠してしまうことです。最近は不妊症の治療に伴い以前(3万〜10万例に1例)に比べて頻度が高くなっています。IVF-ET(体外受精胚移植)後は、100例に1例とも報告されています。

★帝王切開瘢痕部妊娠(ていおうせっかいはんこんぶにんしん)
前回帝王切開術を施行した子宮の瘢痕部に妊娠してしまった状態です。症状は頚管妊娠と似ています。この帝王切開瘢痕部妊娠で問題になるのは、その瘢痕部に子宮内膜が欠損している場合です。欠損部に着床すると胎のう(胎児の入っている袋)は子宮内ではなく子宮の外に向かって発育して、通常帝王切開術創の外側は膀胱が覆っているため胎のうは膀胱に接してしまい時間の経過とともに子宮破裂をおこします。
 
   
治療 手術療法と薬物療法に分けられます。

★手術療法
最近は超音波診断により早期発見例が増加しているため、全身状態が良好(腹腔内出血量が少ない)でショック状態を認めない症例に対しては、腹腔鏡下で手術を行えます。しかし腹腔内出血が大量でショック状態となっている場合には、ショック状態の治療を施行後、通常通りの開腹手術を行います。

★薬物療法
薬物療法には次の条件があります。
1)全身状態が良好であること。
2)子宮外妊娠の病巣部が未破裂であること
3)病巣部が、直径3.5cm以下であること
4)胎児や胎児心拍が確認されていないこと
5)血液中のHCG濃度が2000IU/ml以下であること

MTX(メソトレキセート)という抗癌剤を、全身投与と、腹腔鏡下で局所に注射する方法があります。ただし、条件を充たしていれば薬物療法が可能ですが必ずしも施行できるとは限りません。
薬物療法のメリットは、  @手術をしないで治療する。A卵管の再開通率や妊娠率が手術療法よりも良好である。
薬物療法のデメリットは、@完全に治癒するまでに2週間から3ヶ月位かかる。A薬物の副作用が問題になる。

なお、腹腔妊娠の場合、手術的に胎児やその付属物の除去(または娩出)を行うが、同時に胎盤を処理すると大出血する恐れがあるため、胎盤は薬物療法や自然な機能低下を待って後日再手術で除去します。
 
   
  子宮外妊娠の超音波診断

突然の下腹部痛で来院され右卵管付近に着床した胎のうを認めました。着床部位の流産が始まり子宮外妊娠の症状が出始めました。

こちらの超音波写真もご覧ください。
 

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