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 子宮筋腫 
子宮筋腫は30歳以上の女性に最も多くみられる良性の腫瘍で約20%の方に有ります。普段無症状でまったく気付かず過ごされている方も多くいらっしゃいます。妊娠に合併した子宮筋腫は妊婦検診で初めて診つけられることがしばしばあります。子宮筋腫を合併している妊婦さんは、全妊婦さんの1.5〜4.0%位だといわれています。 
   
検査と診断 超音波検査でかなり小さな筋腫まで発見できるようになり、妊婦検診で初めて診断されて驚かれる方もいらっしゃいます。子宮筋腫のある場所によっては、卵巣腫瘍や子宮周囲の腫瘍と鑑別しにくいこともあり、カラードップラー法やMRIなどを用いて診断することも有ります。
また、妊娠子宮の部分的な収縮があたかも小さな筋腫のように診えることもあるので何回か超音波診断を繰り返すこともあります。
また妊娠中は筋腫が変性を起こすことして痛みを訴えることもあり、血液検査で炎症反応検査を行う必要がある場合もあります。

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妊娠以前に子宮筋腫摘出術(核出術)を行なった方 子宮筋腫を取った部分の手術創が妊娠中〜分娩時に子宮破裂を起こす可能性があり注意が必要です。特に子宮収縮を起こす切迫早産では子宮破裂を起こす可能性が高いため入院治療が必要になることもあります。また分娩形式は帝王切開術が選択される場合があります。 
   
妊娠が子宮筋腫に及ぼす影響 子宮筋腫は、女性ホルモンのうちエストロジェンというホルモンの影響を受けて増大するといわれています。直径が5〜6cm以下の筋腫は妊娠経過に左右されず不変なものが多いといわれていますが、それ以上の大きさの筋腫では、妊娠初期〜中期にかけてエストロジェンが増加するため筋腫は増大し、妊娠後期にかけてエストロジェンが減少するため縮小傾向になるという報告も有ります。しかし筋腫の発症部位やその他の因子(プロジェステロン受容体、上皮成長因子、血小板由来増殖因子など)によっても筋腫は左右されているため、たとえ小さくても様々な症状を起こすこともあります。
妊娠経過とともに子宮が大きくなると、筋腫は引張られて筋腫自体への血流が悪くなり変性や壊死を起こすことがあり、様々な痛みを訴えることがあります。
 
   
子宮筋腫が妊娠・分娩・産褥期に及ぼす 子宮筋腫の大きさ、数、存在部位により様々な症状を起こす可能性があります。大きさが3cm以下のものはあまり影響がないといわれていますが、多発している場合はその限りではありません。さらに6cm以上の大きさになると妊娠中のみならず分娩や産褥期にも影響を及ぼす可能性があります。

★妊娠に及ぼす影響
 流産や切迫流産
 早産や切迫早産
 前期破水
 胎児の子宮内での位置異常
 子宮内胎児発育不全
 筋腫が胎児を圧迫したり発育の妨げになって奇形や変形を起こす
 胎盤の位置や付着部位の異常
 胎盤が筋腫部位にあると胎盤早期剥離を起こしやすくなる
 子宮増大に伴い筋腫による周辺臓器の圧迫
 尿管圧迫による排尿障害
 貧血

★分娩に及ぼす影響
 産道周囲にあると胎児下降を妨げる(分娩障害)
 微弱陣痛
 弛緩出血
 過強陣痛による子宮破裂の可能性

★産褥期に及ぼす影響
 産褥子宮復古不全
 後陣痛(通常の後陣痛に筋腫の収縮の痛みが加わる)
 悪露(分娩後の分泌液や血液)の排泄不良による子宮内感染
 産褥期大出血
 
   
妊娠〜産褥期にかけての子宮筋腫の管理 原則的に、保存的な管理と治療を行います。積極的に筋腫を手術的に摘出したりしませんが、個別評価した上で筋腫の保存的治療が母体に対して悪影響を及ぼす可能性があるときには手術療法も考慮されます。

★妊娠中の管理と治療

疼痛時は、子宮収縮抑制剤や痛み止めなどの薬物療法が中心になります。やむを得ず手術的に筋腫を摘出するときには、妊娠4〜5ヶ月ごろに行います。妊娠中に子宮筋腫摘出手術を行なった場合は、分娩時は帝王切開術を選択します。

 
妊娠中の手術の適応条件
  筋腫が原因で、母体に多大な影響を与える可能性のあるとき。
  筋腫の急激な増大により妊娠継続が不可能と判断されてとき。

★分娩時の管理と治療
筋腫によって分娩の進行を妨げられないときには通常通りに分娩を行いますが、微弱陣痛や分娩直後の大出血を起こす可能性が非常に高いので注意が必要です。分娩進行に障害や筋腫周囲に違和感などを認めたときには帝王切開術を行います。帝王切開術と同時に子宮筋腫を摘出することに関しては、賛否両論ありますが、通常は術中の大出血や術後の感染・癒着などが起こりやすいために行いません。

★産褥期の管理と治療
通常分娩後、子宮筋腫は縮小傾向を示すために保存的治療を行います。今回の妊娠中に筋腫が妊娠継続に影響を及ぼした場合や、妊娠の影響が無くなってからも過多月経や生理痛などの症状を残した場合、子宮筋腫を再評価して手術を考えます。筋腫核出術後の分娩は、子宮破裂の可能性があるため帝王切開術がよいとされています。
 
子宮筋腫の出来る部位
 

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