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尿の異常・排尿異常

多くの妊婦さんが経験する尿に関する異常は、頻尿(約8割の方)と尿失禁(6〜7割の方)です。どちらも子宮が大きくなる妊娠後半以降に多く認められます。また出産後は尿閉や排尿困難などの症状が1〜2割の方に認められています。ほとんどの場合これらの症状は、分娩後3〜4日で自然に軽快し治ります。 
   
原因 妊娠中の腎臓機能は非妊時に比べて1.5〜1.8倍ほど増加しているといわれています。また尿中にブドウ糖やアミノ酸の排泄量も非妊時に比べて増加しているために尿検査で尿糖や尿蛋白が正常でも陽性になることがあります。いっぽう骨盤内という硬く閉ざされたスペースに膀胱、子宮や直腸などの臓器が納まっています。ここで膀胱は子宮と骨盤に挟まれ、さらに妊娠で増大する子宮によって外へ向かって直接圧迫されるため頻尿を起こします。クシャミや咳などの刺激は胎児が大きくなると硬い頭などにさえぎられて尿道周囲の神経へ伝達が遅れてしまい、尿意を我慢出来ず尿失禁を起こしてしまいます。
 産褥期は骨盤内の排尿をつかさどる神経が分娩時の圧迫などで障害されたり、尿意を我慢するときの筋肉群が分娩時に損傷されたり、ゆるんでしまったりして尿失禁や排尿困難などを起こします。
 

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症状と診断 @日中8回以上、夜間3回以上の尿意排尿を頻尿と定義していますが、患者さん本人の感じ方でも診断をつけることがあります。
A膀胱炎などの原因も考えられる為に感染症を検査します。
B必要が有れば内診などで、会陰の状態、腟周囲筋肉群の収縮力状態などを調べます。
 
   
管理と治療 ★尿失禁 妊娠・分娩による尿失禁の管理と治療は、常に尿意を意識した尿道括約筋の訓練をすることです(尿意を我慢するのでは有りません)。産褥期に尿失禁される方は、腹圧、特に「きつい腹帯」や「重い物を持たない」などを心掛ける必要があります。ほとんどの場合分娩後3〜7日間で自然に治ります。当然ですが、妊娠や分娩に関係のない基礎疾患がある場合は、そちらの治療を優先します。

★排尿困難 持続する排尿困難や尿閉があるときには、感染に注意しながら導尿(尿道に管を入れて排尿させる)をしながら自然回復を待ちます。薬物療法としてコリン作動薬やαブロッカーなどを使用することも有りますが、妊娠中や授乳中には禁忌とされている薬物が多く注意を要します。当然ですが、妊娠や分娩に関係のない基礎疾患がある場合はそちらの治療を優先します。 
   
   
妊娠中の尿糖について 腎臓は近位尿細管という部分で尿作成中に出てしまったブドウ糖を尿から再吸収して体内に戻しています。血糖値が正常であるにもかかわらず、妊娠中はこの再吸収能力がやや低下するため尿に糖が出てしまいます(腎性糖尿)。糖尿病の時は、インスリンの働きが悪いため血糖値(血液中のブドウ糖などの量)があがってしまい再吸収能力以上の糖が尿中に出るため尿糖になります。
しかし妊娠を期に糖尿病を発症することもあります。これを早期発見するために妊婦検診で尿糖を検査しているのです。妊娠経過と共に尿糖が増加する場合にはブドウ糖負荷試験などを行う必要があります。
 
   
妊娠中の蛋白尿について 蛋白尿のチェックは妊娠高血圧症候群の早期発見や監視の目的で行われています。しかし妊娠中は上記尿糖と同様に若干の蛋白が尿に出てしまうことがあります。血圧の上昇など他の症状も考慮したうえで状況判断する必要が有りますが、少量の蛋白尿があったからといって一概に異常とは言えません。主治医の指示に従って食生活や日常生活を送りましょう。 
 
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