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 分娩後(産褥期)の尿の異常について 
女性は妊娠〜分娩〜産褥期にかけていろいろな「おしっこ」に関する異常に遭遇します。膀胱炎であったり、出にくくなったり(尿閉)、我慢できなくなったり(尿失禁)・・・。これらは、子宮と膀胱が接していることや尿意を我慢する骨盤内の筋肉が分娩によって変化することなどが原因です。 
   
妊娠〜分娩による膀胱の変化 膀胱は子宮の前に位置しています。妊娠によって子宮が大きくなると、膀胱は子宮に圧迫されて前後に扁平になり、さらに左右に引っ張られてしまいます。そのため膀胱の容積は少なくなり排尿時には十分な収縮が出来なくなって残尿や排泄障害が起こります。
分娩後、膀胱は子宮による圧迫から開放されますが、分娩時に赤ちゃんの頭などが長時間骨盤内に停滞すると膀胱や尿道を支配する神経を圧迫して障害が起こることがあります。骨盤内の排尿に関係する筋肉群も伸びきって収縮しにくくなり、さらに外陰部の傷の痛みが原因でこれらの筋肉群のコントロールが思うように出来なくなります。
 

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膀胱炎 分娩後の膀胱は、赤ちゃんの頭の圧迫により傷ついていることが多く、個人差はありますが膀胱や尿道を支配している神経の麻痺によって排尿困難になり残尿が起こりやすくなります。さらにお産後の悪露による外陰部の汚染が尿道から膀胱へ入り込み膀胱内の残尿に感染することで膀胱炎が発症します。特に肛門周囲にある大腸菌によって悪露が汚染され感染源になります。産褥期の膀胱炎を予防する有効な方法は無く、悪露による汚染を避けるため日頃から外陰部を清潔に保つことが重要です。

治療  十分な水分を摂取し尿量を確保すること、適切な抗生物質の投与です。 
   
尿が出にくい(尿閉) 尿閉とは、膀胱に充満した尿を排泄できない状態をいいます。分娩後の尿閉は珍しい症状ではありません。分娩時に膀胱や尿道を支配する神経が赤ちゃんの頭などの圧迫にによって障害され麻痺することによって引き起こされます。しかしこの症状は一過性のことが多く、完全に尿閉になる例はめったにありません。

対策と治療
尿閉には尿意を感じないことが多く、膀胱に多量の尿が充満して過伸展を起こし、さらに症状が悪化することがあります。分娩後は定期的に排尿するように心掛けます。もし尿意を感じない場合は、ご自分で恥骨上の膀胱を手で圧迫しながら排尿するようにします。通常2〜3日で排尿機能は回復し、1週間以内に正常な状態に戻ります。補助的に、薬物療法を行うこともありますが、治療の基本は、ご自分で定期的に排尿することに専念することです。
 
   
尿漏れ(尿失禁) 尿閉とは逆に、トイレに間に合わない(切迫性尿失禁)、くしゃみや咳と同時に尿漏れしてしまう(腹圧性尿失禁)、などの訴えもあります。これらの症状は、分娩の影響で骨盤底筋肉群と呼ばれる排尿に関与する筋肉が緩んで排尿を我慢できなくなってしまいます。さらに分娩時に負った外陰部の傷の痛みが排尿に関与する筋肉を十分に収縮させることが出来なくさせる原因になります。

対策と治療
多くの場合自然に回復するため、薬物療法が必要になることは少ないです。分娩時の傷の痛みが癒える産褥1週間目頃より緩んだ骨盤内の排尿に関与する筋肉をトレーニングして元に戻します。一番簡単なトレーニング方法は、「肛門をギュッと締める練習」「オナラを我慢する動作」などを毎日何度か繰返します。また排尿時に途中で「おしっこ」を止める練習も効果があるとされています。
 
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