| 考えられる状況 | 
      妊娠5週頃より始まる悪心(気持ちが悪い・はきけ)、嘔吐、食欲不振、嗜好の変化などの消化器症状で「つわり」と呼ばれています。この症状は早朝の空腹時に強く、全妊婦さんの50〜80%におよび妊娠12〜16
      週頃までには自然消失します。 「つわり」と「悪阻」の違いは日本産婦人科学会では「"つわり" の症状が悪化し、治療を必要とする状態になった場合を悪阻という。」と決められています。また妊娠初期に「つわり」があるために十分な食事が摂れない場合もありますが、胎児の発育に影響を及ぼすことはほとんどありません。  | 
    
    
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      | 注意点 | 
      唾液量の増加、吐き気、嘔吐、全身倦怠感(だるさ)、頭痛、ねむけ、食欲不振、嗜好(食べ物の好み)の変化などが挙げられます。 
頻回の嘔吐があり水分も食事も摂れなくなると病的な「妊娠悪阻」です。妊娠悪阻とは、「つわり」の症状が憎悪して以下のような状態に陥った場合です。 
@脱水症 
 
A体内の電解質の異常  
B栄養状態不良  
  ・・・の三つの全身状態に要約されます。このような症状に陥った場合は、入院して点滴治療が必要になります。  | 
    
    
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      | 考えられる病名 | 
      1)妊娠悪阻 
      詳しくは・・→ こちらへ 
 
2)下痢(感冒性胃腸炎) 
      下痢を伴った腹痛に対しては、悪化すると電解質(母体中の塩分など)バランスが崩れ脱水症を起こし、さらに子宮収縮を引き起こす可能性があります。ウイルス性腸炎、食中毒やその他の原因を調べたうえで、問題の無いものであれば整腸剤などでフォローアップします。 
 
3)虫垂炎(盲腸炎)  
吐き気、嘔吐、倦怠感などの症状から始まることが多く、続いて右下腹部痛が起こります。妊娠中は虫垂(盲腸)が大きくなった子宮によって通常の場所より右上方へ押し上げられていることが多く典型的な症状を示さないことがあります。また血液検査においても妊娠によって変化しているために診断困難なこともあります。診断が付けば症状に応じて内科的に抗生物質の投与をしたり、時には妊娠中であっても外科的に手術が必要になることもあります。 
 
4)腹膜刺激症状 
子宮外妊娠や卵巣茎捻転、その他の内臓疾患による腹膜刺激症状でも、嘔吐を起こすことがあります。腹痛を伴うような場合(お腹を軽く押すよりも放したときのほうが痛みが増す)は、早めに主治医に連絡を取ってください。  |