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 子宮がん 
生理や排卵に伴う出血以外の不正出血や腹痛、通常と異なる異常なオリモノなどがある場合悪性腫瘍(子宮癌)であることも有ります。
すべての方が子宮癌と限りませんが早期発見という意味から子宮癌検診を受診することをお勧めいたします。現在は初期の子宮癌であれば100%治癒可能です。
 
   
分類 ★発生部位による分類
子宮頚癌  子宮の入口付近(子宮頚部)に発症する癌を子宮頚癌と呼び、子宮癌の50%以上を占めます。
子宮体癌  子宮頚部よりさらに奥の部分を子宮体部といい、ここにできる癌が子宮体癌です。

★癌細胞の種類による分類(組織学的分類)
扁平上皮癌 子宮頚部の表面をおおう扁平上皮という組織から発生する子宮頚癌
腺 癌   頚管粘液などの粘液を分泌する頚管の腺組織から発生する子宮頚癌
      子宮体部の内面を覆う子宮内膜から発生する体癌
 
   
 子宮頚癌 
妊娠に合併する悪性腫瘍中で最も頻度の高い悪性腫瘍で妊婦さん1000〜2000人に1名と報告されています。子宮の入口付近(子宮頚部)に発症する癌を子宮頚癌と呼び、子宮癌の50%以上を占めます。
組織学的(癌細胞の種類による分類)には主に子宮頚部の表面をおおう扁平上皮という組織から発生する扁平上皮癌と頚管粘液などの粘液を分泌する頚管の腺組織から発生する腺癌の二種類あり、扁平上皮癌が85〜90%を占めています。
発症年齢の平均年齢は45〜46歳程度ですが、ごくごく初期の上皮内癌では40歳程度といわれて年々若い患者さんが増えてきました。
 
   
原因 以前は、若いうちからの頻回のセックスによる慢性刺激などが原因になりうるといわれて来ましたが、最近はヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus:HPV)16型や18型などのセックスなどによる子宮頚管への感染が子宮頚癌の原因ではないかとされています。
ヒトパピローマウイルス(HPV)はパポーバウイルス科に属するウイルスの一つで現在100種類ほどのタイプが見つかっています。同ウイルスは発癌性との関係が研究され低リスク群と高リスク群があります。
HPVはセックスにより感染するウイルスで、セックス経験のある女性であれば誰でも感染する可能性があります。ほとんどの女性は感染履歴があると考えられていますが、HPVに感染してもほとんどの場合は免疫力によってHPVが体内から排除されます。
HPV感染の大半は2年以内に自然消失しますが、約10%の人で感染が長期化してしまいます。
HPVが持続感染化するとその一部で子宮頸部の細胞に異常(異形成)を生じ、さらに約10年以上の経つとごく一部の人(感染者の1%以下)が異形成から子宮頸癌に進行してしまいます。

低リスク群 6,11,41,42,43,44型
高リスク群 16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,70型
 
   
癌の進行度分類(癌の広がりによる分類)
進行期 癌の広がり
異形成1) 頚癌に移行し易い状態(前癌状態)
軽度・中等度・高度に分類します
0期 上皮内癌(表面に留まっている癌)
Ia1期
Ia2期
子宮頚部に限局した初期癌
Ib期 子宮頚部に限局した浸潤癌
IIa期
IIb期
子宮頚部から外へ出はじめた癌
III期 骨盤壁に癌が達したか、腟へ達したもの
IV期 遠隔転移した癌

1)異形成とは、細胞が正常では見られない形態になる、形態変化の一種です。
 
   
妊娠が子宮頚癌に及ぼす影響 多くの報告では、妊娠が子宮頚癌に影響を及ぼしたという報告はありません。癌の進行は非妊娠時と変わらず、異形成や上皮内癌が浸潤癌に進行しやすいということはありません。 
   
子宮頚癌が妊娠に及ぼす影響 子宮頚癌が胎盤や胎児に転移して癌になったという報告はありません。異形成や上皮内癌が妊娠に及ぼす影響は殆どなく浸潤癌であれば妊娠しにくいといわれています。 
   
妊娠中の管理と治療 1)異形成・上皮内癌
基本的には正期産(分娩終了)まで治療を待機します。ただし3カ月おきに癌検診を繰り返し進行していないことを確認する必要があります。分娩様式も特に制限がなく分娩時の異常がない限り経腟分娩します。

2)Ia1期の初期子宮頚癌
妊娠初期に診断が付いた場合には、円錐切除術といわれる手術を行うことがあります。この手術は子宮口から奥へ向かって円錐状に子宮頚管を切り取る手術ですが、妊娠中にこの手術を行うと出血(9%)、術後出血(4%)、流産(18%)を起こすという報告もあります。妊娠中期以降に診断された場合は胎児の体外生活(肺の成熟が十分認められるまで)可能な状態または正期産(予定日近く)まで待って、分娩時の異常がない限り経腟分娩し、再評価して治療方針を決定します。

3)Ia2期〜IIa期の子宮頚癌
妊娠22週未満であれば妊娠を中絶して根治手術を選択しなくてはならないことも有ります。また妊娠22週以降に診断された場合は、胎児の発育を待ってから帝王切開術後に根治手術を行う必要があります。しかし現在の状況は癌の進行度がどの時点まで進行しているかによって妊娠中絶術や根治手術を行うのか、結論は出ていません。患者様と医師の間でお互いに納得の行く治療方法が選択されているのが現状です。

4)IIb期以降の子宮頚癌
この場合は、直ちに癌の治療を開始すべきで、妊娠中絶術を選択する場合が多いです。しかし胎児の発育状態によっては、帝王切開術後に治療を開始する選択肢の一つとして残されています。
 
   
予後 非妊娠症例と比べて、I期までの症例ではとくに大きな差は認められていませんが、II期以上の進行癌は症例数が少ないために結論が出ていません。 
   
子宮がん検診 以前に子宮がん検診で再検査や異常を指摘された方は・・→ こちらへ 

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