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 早産と過期産について 
早産は妊娠22週以降から36週までに分娩になってしまうことをいい、過期産は妊娠42週以降になっても分娩にならないことをいいます。どちらにおいても産まれた赤ちゃんは障害が起こる可能性があり、妊娠継続か分娩させるかの判断に重要な意味があります。ここでは、早産と過期産が赤ちゃんに及ぼす影響について説明します。

切迫早産の原因・診断など詳しくは・・・こちら
 
   
 早産について 
  早産は、新生児周産期死亡の原因として最も大きな原因の1つで、特に妊娠28週以前に産まれてしまった場合を超早産時といいます。早産してしまうお母さんは全妊婦さんの5%程度です。また早産したお母さんの7割は切迫早産や前期破水などがあり、残りの3割は、お母さんや赤ちゃんに病気があるために治療目的で人工的に早産させざるを得なかったものです。 
  
早産の影響について 早産児は周産期死亡率が高く、たとえ救命されてもいろいろな後遺症などの発症率が高いです。その後遺症は赤ちゃん自身の未熟性が原因といわれています。特に妊娠28週以前の超早産児では身体の発育がさらに未熟で免疫機能が十分に発達していないため、全身に細菌感染などを起こしやすい状態にあります。 
 
 障害部位 起こりやすい障害や病気
 全身の所見  低体温 低血糖 低Ca血症 自発運動や筋肉の緊張の低下 
 脳  脳室内出血 低酸素性脳症
 眼  未熟児網膜症
 肺  呼吸窮迫症候群 慢性肺疾患
 心臓  動脈管開存症
 肝臓  高ビリルビン血症
 腸  壊死性腸炎
 血液  未熟児貧血 敗血症  
   
過期産について 
  なぜ予定日を過ぎ妊娠42週になっても分娩にならないのか?原因の多くは不明です。現在は赤ちゃんの副腎と胎盤の機能に異常がある場合や胎盤の酵素欠損がある場合などが過期産を起こしやすいことが解明されています。過期産の中で特に問題になる場合は、過期妊娠に伴って胎盤機能低下が起こった「過熟児」(大きく育ちすぎた赤ちゃん)です。 
   
過期産の問題点 妊娠週数による胎児死亡の統計では、妊娠39週が最も少なく妊娠42週以降では3倍に増加するといわれています。さらに妊娠43週以降では妊娠37週に比べて8倍にリスクが増加するともいわれています。また過期産が胎児に及ぼす影響として胎児ジストレス、胎便吸引症候群、巨大児や分娩時の外傷などもあげられます。
過期妊娠によって胎盤の機能低下や機能不全が起こると、胎児はお母さんから胎盤を経由して供給されている栄養素、水分、酸素などが減少して生活環境の悪化が起こりはじめます。具体的には羊水減少による臍帯の圧迫、低酸素症による胎児機能不全や胎便排出による羊水の混濁などです。
 
   
   
過期妊娠の取り扱い 分娩予定日を過ぎた時点で妊娠初期の胎児の大きさや月経周期などから予定日の再確認を行います。
予定日に間違いの無い場合は胎児を取巻く環境のチェックを行いながら陣痛が起こるのを待ちますが、妊娠41週を過ぎてしまったら子宮頚管の状態(お母さんのお産の準備状態)を考慮して分娩誘発をするかこのまま待機するか決定します。
妊娠41週以降の分娩誘発例と待機例を比較した報告では、胎児の予後は変わらないという報告や分娩時に胎児機能不全になり帝王切開術が増加したという報告などもあります。
過熟児の場合難産になることが多く、特に分娩時に赤ちゃんの肩が出ないで難産になり赤ちゃんの鎖骨骨折や上腕神経麻痺、お母さんの会陰裂傷などを起こすこともあります。分娩誘発を行いスムーズに進行すればいいですが、もし胎児やお母さんに少しでも危険因子があるならば、始めから帝王切開術を選択することも間違った選択では無いと思います。
 
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