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臍帯ヘルニアと腹壁破裂 
  臍帯ヘルニアとは、赤ちゃんの腸や肝臓などが腹腔内からへその緒の中に脱出している状態をいいます。
腹壁破裂とは、赤ちゃんの胃や腸が腹腔内から外に脱出している状態をいいます。
 
   
原因
赤ちゃんの胸やお腹は受精後3〜4週ごろに4方向(頭側、尾側、両側)から腹壁が伸びてきて、最終的に一つになって身体の外壁が出来上がり、4つの中心が「おへそ」になります。このときにそれぞれの壁の癒合が障害されると臍帯ヘルニアや腹壁破裂を起こします。また癒合が完全に完成するまでは生理的に臍帯ヘルニアを伴うこともあります。この生理的臍帯ヘルニアが腹腔内に戻ることが出来なくなって起こる場合もあります。
 
   
臍帯ヘルニア 
  臍帯ヘルニアは、他の奇形や異常を合併することが多く、染色体異常(13-、18-、21-trisomy)などに伴うこともあります。 
   
分類 ヘルニアの部位によって大きく3つに分類されます。
臍上部型臍帯ヘルニア
「おへそ」の頭側に出来るヘルニアです。胸骨・横隔膜・心臓の異常を伴うことがあります。

臍部型臍帯ヘルニア
「おへそ」を中心に出来るヘルニアです。肝臓や腸などが腹腔内から脱出して巨大なヘルニアを形成することがあります。しかし、ヘルニアに伴う他の奇形合併率は少ないようです。

臍下部型臍帯ヘルニア
「おへそ」の尾側に出来るヘルニアです。膀胱・直腸・脊髄などに異常を伴うことがあります。
 
   
診断と管理 妊婦健診中などの超音波診断などで比較的簡単に発見されますが、臍帯ヘルニアと腹壁破裂の鑑別は困難な場合もあります。
胎児治療法は現時点ではありません。経過観察を行い十分に胎児が成熟した時点で分娩を行います。分娩方法によって赤ちゃんに対する影響は無いという報告がほとんどですが、胎児の状態によっては帝王切開術を選択することもあります。
 
   
治療 ヘルニアが破裂してしまった場合などでは、手術的治療が必要になります。未破裂ヘルニアでも重症奇形や染色体異常を伴う場合は保存的治療(ヘルニア部位の痂皮形成促進、感染予防)を選択します。
ヘルニアが比較的小さく、重篤な合併症が無い場合では、一度の手術で腹壁を形成してしまいますが、不可能な場合は何回かの手術を行い腹壁形成を行います。
手術による副作用は、もともと妊娠中に発育が悪かった腹壁のため腹腔内の容積が少なく、その腹腔内へ脱出していた臓器を戻すために腹圧が上昇してしまい下大静脈を圧迫し循環障害、横隔膜を圧迫して呼吸障害、肝臓を圧迫して肝臓の循環障害などを起こして致命的な状態になることもあります。
 
   
   
腹壁破裂 
原因 はっきりとした原因はわかっていませんが、腹壁を形成する際に伸展障害が起こるために発症するという説と、上記の臍帯ヘルニアの羊膜が早期に破れて発症するのではないかという説があります。腹壁破裂という病名が付いていますが、症状的には腹壁の一部欠損とご理解ください。 
   
特徴 臍帯はお腹の正常位置に有り、破裂(欠損)部位は臍帯の右側に多く認めます。脱出する臓器は腸だけで、妊娠中は羊水中をふわふわと漂っています。臍帯ヘルニアに比べてその他の奇形を合併する率ははるかに少ないとされています。 
   
診断と管理 臍帯ヘルニアと同様ですが、腹壁破裂の分娩形式は、帝王切開術を選択することが比較的多いようです。 
   
治療 手術的療法が選択されます。破裂(欠損)部位が小さいときには1回の手術で終了することもありますが、何度かに分けて手術することもあります。手術による副作用は、臍帯ヘルニアと同様です。 
   
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