|  足をつる(こむらがえり)  | 
    
    
       妊娠中は「こむらがえり」を起こしやすい状態にあります。寝返りをうったり、足を強く伸ばしたときなどに起こりやすく、強い痛みがあります。 
      また、分娩中に起こす方も多く見かけます。突然何の前ぶれも無く起こり、激痛を感じる方もいます。当人にとっては非常に辛いものです。  | 
    
    
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      | 原因 | 
      原因はいくつか挙げられていますが特定はされていません。現在考えられている原因は、次のとおりです。 
       
      1) 局所(下肢)の循環不全 
      2) 腓腹筋の疲労 
      3) リン酸の過剰蓄積 
      4) カルシウム欠乏 
      5) 妊娠中の過呼吸から血液がアルカリ性になりすぎて潜在性のテタニー(手足に起きつ「しびれ」)を起こし、下肢のケイレン(こむらがえり)を起こす。  | 
    
    
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      | 症状 | 
      突然、腓腹筋のケイレン性の収縮によって強い痛みが起こります。 
       
      ★腓腹筋とは 
      ふくらはぎに力をいれると、ちからこぶのように2個の筋肉が盛り上がり、内側の筋肉を内側腓腹筋、外側の筋肉を外側腓腹筋といいます。  | 
    
    
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      | 治療と予防 | 
      ★治療法 
       1) 「こむらがえり」が起こったときには、くるぶしや足の親指を同じ側の手を使ってふくらはぎ(腓腹筋)を強く伸ばすように上に引き上げると楽になります。 
       
      2) 素足で冷たい床に立ってふくらはぎを強く上下にマッサージする方法もあります。 
       
      3) ふくらはぎ(腓腹筋)を温める方法も効果があります。 
       
      4) カルシウム剤(アスパラ銀酸カルシウムやグルコン酸カルシウム)の静脈注射や夜間によく起こるときには、就寝前にカルシウム剤(乳酸カルシウムやグルコン酸カルシウム)の内服薬を処方します。 
       
      5) ビタミンB1、ビタミンDの内服も効果があることもあります。 
       
      ★予防法 
      1) リン酸の過剰摂取を控える。リン酸は身体にとって大切なミネラルでカルシウムと結合しリン酸カルシウムとして骨や歯の主成分となります。妊娠中の母体は胎児にカルシウムを供給するため不足気味になりやすく、リン酸の過剰摂取があると不足気味のカルシウムがさらにリン酸と結合して低カルシウム血症になってしまいます。 
      リンは肉や魚、乳製品に多く含まれ、さらに加工食品等の中に保存料として多用されているために、過剰摂取には気をつけてください。リン酸の過剰摂取が考えられるときには、リン酸の腸からの吸収を抑えるために、アルミニウム制酸剤(胃薬)を処方することもあります。 
       
      2) 小魚、チーズ、牛乳などのカルシウムの豊富な食生活を心掛ける。 
       
      3) つま先を酷使するような歩き方をやめて、かかとを使って歩く習慣をつける。  |