|  ヘルペスウイルス  | 
    
    
       ヘルプスウイルスは身体の多くの場所に感染しHSV-1、HSV-2の2種類の感染があります。 
      HSV-1は、多くの場合眼、口、脳などの上半身が主でときに性器にも感染します。 
      HSV-2は、性器など下半身に感染を起こします。  | 
    
    
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      | 感染経路と症状 | 
      性器に感染しているHSV-2が性行為により感染したり、口腔内に感染しているHSV-1がオーラルセックスで感染すると、2〜10日の潜伏期間をおき、(ときにもっと長期のこともありますが)症状が現れます。 
       
      ★急性型 痒み、疼痛が現れ、外陰部に左右対称の水疱や潰瘍(2〜5mm)、鼠径部リンパ節の腫れ(圧痛を伴う)などが起こります。2〜4週間で自然に治りますが、抗ウイルス剤を使うと5〜10日で治ります。 
 
★再発型・誘発型 妊娠によって、潜伏していたウイルスが再度活性化されることもあります。(再発型)自覚症状は軽く、数個の水疱や潰瘍(2〜5mm)を形成して3〜7日で自然に治りますが、再発を繰り返す事があり、心理的にストレスがかかることがあります。子宮などからウイルスが検出される事はまれです。 
同じように、何らかの原因で、細胞性免疫が低下する事により再活性化されることもあります。(誘発型) 
HSV-2は、再発しやすいです。  | 
    
    
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      | 妊娠中の性器(外陰)ヘルペス | 
      妊娠中に感染または再発した場合には、IgG抗体やIgM抗体の測定を行い、初感染なのか再発なのかを鑑別します。分娩時に、産道に感染病変があるときには、帝王切開をして胎児への感染を防ぎます。 
破水など起こさなければ、胎児への影響はないとされています。 | 
    
    
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      | 治療方法 | 
      胎児毒性の少ないアシクロビル製剤の、軟膏や経口薬を使います。  | 
    
    
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            |  新生児ヘルペス  | 
          
    
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      単純ヘルペスウイルスの感染により起こります。ヘルペスウイルスは1型と2型に分けられ日本では1型:2型は2:1ですが海外では2型が多いです。ほとんどの場合赤ちゃんへの感染は、分娩時のお母さんの腟や外陰部にある性器ヘルペスから感染します。しかし、お母さんの性器にヘルペス病変を認めることは少なく、無症状の場合がほとんどです。初感染のお母さんから赤ちゃんへ感染する可能性は30%以上といわれています。再発例からは感染率が低く約3%といわれています。 | 
    
    
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      | 症状 | 
      1)全身型 
      ヘルペスウイルスが全身の臓器に感染して治療をしないと80〜90%が多臓器不全で死亡してしまいます。 
      生後数日で赤ちゃんの活気が無くなり、発熱、全身状態の悪化が進み肝機能の低下などが起こり死亡してしまいます。 
       
      2)中枢神経型 
      ヘルペスウイルスが中枢神経系に感染しています。ケイレンを伴う脳炎を発症します。 
       
      3)表在型 
      ヘルペスウイルスが皮ふ、眼、口の中などに感染しています。症状は比較的軽症です。 
       
      主なヘルペスウイルス感染の症状 
       
      
      
        
          
            | 初期症状  | 
             発熱 
             哺乳力の低下 
             皮ふや口の中の発疹 | 
           
          
            | 続発症状 | 
             肝機能障害症状 
             呼吸障害 
             出血しやすくなる 
             皮ふや口の中の発疹 | 
           
          
            | 検査所見 | 
             炎症所見(CRP陽性) 
             肝機能異常 
             電解質の異常  | 
           
        
       
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      | 治療 | 
      早期治療が重要です。成人の治療と同じアシクロビルの注射を行ないます。通常は2週間ほどですが重症例には3週間続けることもあります。 
      再発することもあるため、退院後も1年間程度の観察が必要です。   |