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 頭痛
 頭痛は日常診療中に最も多い患者さんの「訴え」といわれています。さらに非妊時に比べて妊娠中は、頭痛が起こりやすい状態にあります。これは妊娠によって増加したプロジェステロンというホルモンが、脳に浮腫(むくみ)を起こすために頭痛や頭重感などが起こりやすくなるためです。 
   
原因からの分類 機能性頭痛 筋緊張性頭痛、片頭痛型血管性頭痛、群発頭痛など

症候性頭痛 外傷、血管障害、脳腫瘍、副鼻腔炎、感冒による頭痛など

このほかにくも膜下出血や髄膜炎などもあります。
 
   

症状から分類

急性単発性頭痛 分単位〜時間単位で発症するものをいいます。髄膜炎症状を伴うときは、くも膜下出血や急性髄膜炎。
髄膜炎症状を伴わないと、高血圧や副鼻腔炎などがあります。


急性反復性頭痛 上記の急性単発性頭痛の反復によるもの以外に、三叉神経痛、片頭痛、群発頭痛などがあります。

亜急性頭痛 週単位で発症するものです。脳腫瘍や硬膜下血腫など。

慢性頭痛 月〜年単位で持続するものです。筋緊張性頭痛、咬合不全、頚椎症、脳腫瘍など。
   
診断 妊婦さんで特に妊娠後期〜末期に頭痛が発症した場合には、妊娠高血圧症候群に注意しなければなりません。さらに頭痛に加えて眼華閃発(がんかせんぱつ・目を閉じると花火が見える)や不安感などの神経症状があるときには子癇(しかん)発作などの前兆である場合があります。
頭痛の部位、持続性、時間(昼間か夜間か)などのほかに、めまい、吐き気の有無などの症状と、レントゲン撮影やCT などの放射線画像診断により判断しますが、特に妊娠中は検査に対して躊躇しがちです。MRI のような非放射線性画像診断を用いた早期診断が必要になることもあります。
 
   
治療 妊婦さんの頭痛の大部分は、妊娠高血圧症候群をのぞけば産婦人科領域以外の他科領域同様に機能性の頭痛がほとんどです。筋緊張性頭痛は、首周りのマッサージや保温で血行改善をおこなうことが一番ですが、それでも改善しないときにはアセトアミノフェンを内服します。片頭痛には、通常酒石酸エルゴタミンを用いますが、妊娠中は投与できないのでプロプラノロールを用います。
これらの治療や薬剤に抵抗性を示したり、頭痛以外に神経麻痺や知覚麻痺などの症状を伴うときには躊躇せず精密検査を受ける必要があります。
 
   
 めまい 
  妊婦健診で「めまい」について質問を受けるのは珍しいことではありません。特に多いのは朝目がさめて突然起き上がったとき、長時間立っていたり歩き回っているときなど、お仕事をされている妊婦さんでは出勤中に起こすことが多いようです。ほとんどの場合、意識を失うほどの発作となることはありません。 
   
原因 主な原因を挙げましたが、単独の原因で起こる場合も、いくつかの原因が重なって起こる場合もあります。

1) 妊娠貧血による酸素運搬機能の低下によって低酸素状態になり、脳へ酸素供給が減少してめまいを起こします。

2) 妊娠を維持させるホルモンの作用によって血管の緊張が緩んで血管運動神経の働きが鈍くなるため、突然身体を動かしたりすると血圧調節が鈍くなり一過性の低血圧をおこし、めまいを起こします。

3) 妊娠前半期はインシュリンの分泌が増加するので、長時間空腹状態が続くと血糖値が正常値以下に低下して低血糖の状態になって、めまいを起こすこともあります。しかし妊娠後半期には胎盤から分泌されるホルモンが増加してインシュリンの作用に拮抗するため、血糖値は上昇しやすくなります。

4) 「過呼吸症候群」でも、めまいが起こります。精神的な原因(焦り、イライラ、緊張など)で呼吸数が増え呼吸しすぎると血液中の酸素が過度に増加し、逆に二酸化酸素量が減少するため「めまい」が起こります。その他の症状として、手足のしびれ(独特の手指のこわばり)、頭がボーっとする、ときには失神することもあります。

5) 妊娠後半期になると、仰向けに寝ていても「めまい」が起きることがあります。これは「仰臥位低血圧症候群」とよばれるもので、大きく重たくなった子宮によって腹部下大静脈が圧迫されつぶれるために、足や下半身から心臓へ戻る血液の流れが悪くなり、心臓から拍出される血液量が減り脳への血流が低下するためです。この場合は、側臥位になるか、仰臥位でも背中を軽く起こした姿勢をとると静脈の圧迫が軽くなり、症状が軽くなります。

6) 妊娠以前から「まわりがぐるぐるまわるようなめまい」をよく感じる場合は、メニエール病などの内耳の病気や脳腫瘍なども考えられますので注意が必要です。 
   
治療 妊娠以前から「まわりがぐるぐるまわるようなめまい」を起こしている方は、貧血やメニエール症候群、メニエール病、脳腫瘍などがあるかも知れません。早めに診察や治療を受けてください。妊娠してから「クラクラするようなめまい」を感じるようになった方は上記のような原因(1〜5)が考えられます。貧血などがある場合は鉄剤を用いて治療しますが、特に異常を指摘されていない場合は治療の必要はほとんどありません。急激な行動を避けゆったりとした行動に心がけてください。 
   
ひと言 「めまい」を感じたときには、焦らずに行動してください。立っている時には何処か壁によりかかるとか、しゃがみこんで転倒することを避けてください。落ち着いて行動していただければ、それだけで症状は軽快するはずです。もしも転倒してお腹や頭を強打するようなことになれば大変です。 

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