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 子癇(しかん) 
  子癇は妊婦さんの死亡原因になる危険性のある重要な病気です。その診断には緊急性を要し同時に治療も必要です。妊娠20週以降から産褥期にかけて突然のケイレン発作で始まり、発症時期によって妊娠子癇・分娩子癇・産褥子癇に分類されます。 
   
原因 多くの場合、妊娠高血圧症候群や妊娠高血圧腎症などがある妊婦さんに起こりやすいとされています。高血圧から脳の血流に異常が起こり、脳血管障害や脳浮腫(脳組織のむくみ)を生じて発症します。
   
分類と頻度

発症時期は妊娠中が一番多く、次いで産褥期、分娩中の順になります。ケイレンによる発症時期が妊娠中〜分娩、分娩〜産褥期にまたがる場合は統計上両方の時期に含めるため重複してしまうため、それぞれの頻度を合計すると100%を越えてしまいます。
   
発作と発作の鑑別について 子癇の発作は突然始まるケイレンです。しかし妊娠高血圧症候群や妊娠高血圧腎症などがもともと存在することが多く、次いで免疫機能低下しているお母さんにも起こります。
妊娠中に同様なケイレン発作を起こす疾患として鑑別診断を必要とするものは、てんかん発作・脳腫瘍・脳炎・髄膜炎・脳血管障害(出血・脳動脈瘤・動脈血栓・etc)・虚血性脳疾患・代謝障害(低血糖・低ナトリウム血症)などがあります。
ケイレン症状からだけでは鑑別出来ないときには、脳波・CTスキャン・MRI検査などを用いて診断します。子癇発作の場合は後頭部〜頭頂部に病変があり、脳幹や小脳に病変は少ないとされています。脳波の異常は研究者によってさまざまですが、正常化まで分娩後3〜6ヶ月かかるようです。
 
 
 
発作の数日〜数週間前から妊娠高血圧症候群や妊娠高血圧腎症などがあり、前駆症状として頭痛・眼華閃発(突然花火のようなものが視野の中に現れる)・上腹部痛・反射の亢進などがあります。
突然失神から発作が始まり、眼球は上を向き顔面蒼白になりケイレンは口元から始まり数秒〜10数秒続きます。
15〜20秒の全身が硬直する強直性ケイレンが起こり呼吸も止まります。
全身をガタガタとふるわせる間代性ケイレンが始まり、眼や口を激しく開け閉めします。この時期に唇や舌を噛んで傷つけることがあります。
ケイレンは治まり、呼吸も正常に戻ります。いびき状の呼吸で昏睡状態になります。
しばらくすると、意識も戻りますが、発作直前から発作中の記憶はありません。

前駆症状が無くても、突然発作が起こることもあります。
また、昏睡状態が回復せずにケイレン発作を繰返すときなどは、意識が戻ることなく死に至る場合もあります。
   
子癇の管理と治療について 管理の根本は発症の予防または再発作の防止です。お母さんの妊娠中の状態によって子癇を発症する可能性が高い場合には入院管理を行い、状況によっては妊娠が母体に及ぼす悪影響を取り除くために早産であっても分娩させる場合もあります。
子癇発作発症時は、母体の救命が最優先になります。気道の確保、バイトブロック使用(痙攣中に舌を噛み切らないようにする)、酸素投与、静脈確保後に抗痙攣薬の使用、などの処置を行います。妊娠中や分娩中に発作が起こった場合は母体治療を優先し、症状が安定してから緊急帝王切開術を行います。
発作の回数が増すごとに重症度が悪化するため、初回発作で抑えることが重要です。
 

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