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 呼吸器疾患合併妊娠 
 妊娠中の呼吸器疾患で頻度の高いものは気管支喘息、流行で問題になるものはインフルエンザです。
妊娠による呼吸機能の変化は以下の通りです。

@子宮が大きくなるにしたがい横隔膜を押上げて胸郭腔を圧迫する。
A妊婦は全身の酸素消費量が非妊時に比べて約20%増加する。
B1回換気量(肺に出入りする空気の量)は40%増加する。
C呼吸数は、非妊時と同じです。
D妊娠中は気道粘膜に、むくみと血管の怒張が起こり、非妊時に比べて上気道炎や鼻出血を起こしやすくなる。
 
 
 気管支喘息
 気管支喘息の患者さんは、全人口の3〜5%といわれています。症状は個人によってさまざまですが一般的には、発作性の呼気性呼吸困難(息を吐くときに苦しい)、咳、喘鳴(ぜいめい)などで、発作は夜間や早朝に多く、運動、気道感染(風邪など)、アレルゲン(アレルギーの原因となる動物の毛、ダニ、カビなど)に曝露、薬剤、精神的なストレス、気象条件などで誘発されます。また気管支喘息は慢性肺疾患で、気道粘膜が炎症を起こしてむくみ、気道を狭窄や閉塞させて呼吸困難を引き起こします。
   
妊娠と喘息の
関係
★妊娠が喘息に与える影響
妊娠が喘息に与える影響は、報告により色々あります。悪化するが1/3、変わらないが1/3、良くなるが1/3 となっています。
(1)妊娠により症状が悪化する場合は、妊娠後期(妊娠8〜9ヶ月)に悪化しやすい。

(2)妊娠により症状が良くなる場合は、妊娠の進行とともに徐々に改善し妊娠10ヶ月に入ると他の時期に比べて症状が改善します。

(3)陣痛や分娩が喘息を誘発や悪化させることはありません。

その他、赤ちゃんが女児のときに自覚症状の悪化があったという報告もあり何らかの内分泌的な因果関係も指摘されています。

★喘息が妊娠に与える影響
頻回な喘息発作が起こると、子宮に対して刺激となってしまい子宮収縮を助長するため早産、低酸素状態が原因と思われる胎児の発育遅延や妊娠高血圧症候群などの頻度が高いという報告もあります。
急性重症発作を起こしたときには母児ともに危険な状態になるため、非妊時同様専門医の早急な治療を受ける必要があります。さらに呼吸器感染も起こしやすくなります。感染を起こした場合には、非妊時同様に積極的治療を行う必要があります。
 
   
治療 喘息に用いられる薬剤の殆どは妊娠中に安全に投与できるため、基本的に喘息は妊娠・授乳期を問わず非妊時と同様の治療を行います。症状によりますが一般的には経口薬よりも吸入薬のほうが、少量で副作用も少ないため推奨されています。授乳に関しては、母乳中の移行抗体が赤ちゃんのアレルギー反応を抑えるため、積極的に行うべきです。
★気管支拡張剤
1)β 刺激剤
(ベロテック・メプチン・ベネトリン・アロテック・ホクナリンテープなど)
胎児に対する催奇形性の報告はありません。速効性で強力な気管支拡張作用がありますが抗炎症作用はありません。軽症の場合の、第一選択薬によく使われています。β 刺激剤(製剤としてはチョット異なりますが・・)は、切迫早産の治療薬としても使われていますが、喘息治療に用いる量は切迫早産治療よりかなり少ない投与量です。

2)キサンチン誘導体 (テオドール・ネオフィリンなど)
胎児に対する催奇形性の報告はありません。胎盤を通過して胎児に移行します。母体と胎児の血液中の薬の濃度はほぼ同じため、出生後嘔吐・哺乳力低下・刺激に対して過敏などの症状を認める事があります。

★副腎皮質ステロイド (プレドニゾロン・ソルメドロール・デカドロン・リンデロンなど)
抗炎症作用が強く著効するために、発作時によく使われます。しかし長期の全身投与は副作用があるため微量投与ですむ吸入薬に変わってきています。

★抗アレルギー剤 (インタール)
クロモグリク酸(インタール)は妊娠中使用に関して、安全性が確認されています。
 

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