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妊娠と歯科
 妊娠中に問題になる歯科的な疾患は、う蝕(虫歯)と歯周病です。妊娠中は、虫歯の発症と再発が増え、さらに女性ホルモンの分泌増加によって歯周組織に炎症を起こしやすくなります。歯周病は低体重児出産の原因として最近問題となっています。 
   
妊娠による口腔内の変化 妊娠によって変化するライフスタイルが虫歯リスクを高めるといわれています。すなわち、「つわり」のため不十分な歯磨きによる口腔内の衛生状態の低下、糖質食物増加によって歯垢の増加、酸性食物頻度の増加に伴う唾液の酸性化などが「虫歯」リスクを高めています。
さらに、妊娠による女性ホルモンの著増が、妊娠12週頃から歯肉組織に対して影響を及ぼします。妊娠24週以降になると歯肉の腫脹や浮腫を伴いさらに悪化することもあります。通常これらの変化は妊娠40週から分娩にかけて自然に回復します。
妊娠中に問題になるのは、歯肉出血しやすくなる為に歯磨きが不十分もしくは敬遠されてしまうことです。妊娠中の歯肉出血は女性ホルモンの増加による為で病的なものではないのです。軟らかめの歯ブラシを選択するなどして、積極的に口腔内を清潔に保つことが大切です。
   
歯周病と低体重児について 出生体重2500g以下や妊娠37週未満の早産症例と正常分娩症例を比較した結果(産科的な原因を調整後)、歯周病は低体重児出産の明らかなリスクファクターでした。その原因は、歯周病部位の細菌感染が、プロスタグランディンEやインターロイキン1βなどと呼ばれる炎症性物質の産生を促進し、その刺激によって低体重児出産を起こしてしまうと推測されています。 
   
妊娠中の歯科治療 歯科治療を受ける妊婦さんに「X線撮影と局所麻酔は胎児に影響は無いか?」とよく質問されます。
X線撮影は妊娠初期は胎児に影響ある可能性も考えられますが、胸腹部保護シート(鉛のエプロン)を使えば問題ないと思います。局所麻酔に関しては、局所に限局して使用するため胎児に対する影響は少ないと思います。
一般的な歯科治療で妊婦さんに問題になるのは、治療姿勢だと思います。妊娠後期の妊婦さんが長時間治療姿勢をとることは苦痛であり、ときに仰臥位低血圧症候群(注)を起こして息苦しくなることがあります。当然ですが、必要時には歯科治療を全妊娠期間中どこで受けても問題はないと思いますが、比較的母児供に安定している妊娠14〜27週を推奨します。
 
   
(注)仰臥位低血圧症候群とは・・・
妊娠中期〜後期にかけて、長時間仰向けになると気持ち悪くなったり、苦しい感じになることがあります。これは、仰臥位で妊娠子宮が下大静脈を圧迫し、心臓へ戻る静脈還流を妨害してしまうため低血圧になる現象です。

「仰臥位低血圧症候群」詳しくは・・・→ こちらへ
 
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