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糖尿病合併妊娠 
 日本糖尿病学会では、原因から以下の4分類しています。
1) T型糖尿病 インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されて絶対的インスリン不足になってしまう。
2) U型糖尿病 インスリンの分泌低下とインスリン感受性の低下によるもの。
3) その他の特定の原因または疾患によるもの
4) 妊娠糖尿病

「T型糖尿病」は若年発症しやすく欧米に多く、日本国内では「U型糖尿病」が多いといわれています。
 
   
妊娠中の糖尿病 以下の2種類に分類されます。
★妊娠糖尿病

全妊娠女性の0.5〜5%にみられ、日本産婦人科学会では、「妊娠糖尿病とは妊娠中に発症したか、または初めて認識された耐糖能異常をいう」と定義されています。
妊娠糖尿病と診断された場合は、分娩後に糖負荷試験などにより、病型の分類を行います。しかし妊娠以前から糖尿病が存在した可能性が有る場合にはその限りではなくインスリンなどの治療を行う事もあります。

★糖尿病合併妊娠
全妊娠女性の0.7%におよぶといわれ、妊娠以前から、糖尿病と診断されているものです。
妊娠による母体の糖尿病の悪化予防と胎児の先天奇形などの発生を低下させるために、妊娠前から血糖コントロールを行う必要が有ります。血糖コントロールの目標値は、空腹時:60〜100mg/dl、食後1時間:140mg/dl以下、食後2時間:120mg/dl以下、夜間::60〜120mg/dl、HbA1c:6.0%以下が望ましいとされています。
 
   
母体の影響 糖尿病性網膜症の悪化:単純性網膜症は妊娠によりあまり影響を受けないので妊娠許可されますが、増殖性網膜症は血糖コントロールと必要に応じて光凝固治療を適時行います。

★糖尿病性腎症
自然経過は妊娠により影響されないとされていますが、高血圧、貧血や血清クレアチニンなどの検査異常を 認めるときは、周産期予後不良とされています。

★妊娠への影響
流産早産の頻度の上昇、妊娠中毒症の合併、羊水過多症、巨大児(4000g以上)による難産、妊娠中の尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)、難治性な真菌性膣炎(カンジダ性膣炎)などがあります。
 
   
胎児・新生児の影響 胎児への影響は、血糖コントロール不良状態があると、妊娠初期(5〜8週)は先天性奇形(10〜20%)を伴う事があり、中期以降は子宮の血液量不足により胎児仮死や胎児死亡を起こしやすくなります。
新生児への影響は、巨大児、新生児低血糖、低カルシウム血症、新生児呼吸窮迫症候群、高ビリルビン血症、拡張性心筋症などがあります。
   
治療 ★食事療法
一日食事摂取量を決める方法はいろいろと報告されていますが、1999年6月厚生省(現在の厚生労働省)発表の「第6次改定日本人の栄養所要量」によると、妊婦の1日付加カロリー数は妊娠の時期に係わらず一括して350Kcal、授乳期の1日付加カロリー数は600Kcal、たんぱく質の1日付加10g、とされています。
具体的にいうと・・・標準体重(Kg)=身長(m) x 身長(m) x 22

糖尿病妊婦1日摂取総エネルギー量=標準体重 x 30 + 350Kcal

糖尿病授乳婦1日摂取総エネルギー量=標準体重 x 30 + 600Kcal

糖尿病妊婦1日摂取総たんぱく質量=標準体重 x (1〜1.2g) + 10g

食事内容は、炭水化物(50〜60%)、たんぱく質(20%)、脂肪(25〜30%)、1日食塩量10g以下として、さらに1日の血糖の変動を最小限にするために食事回数を1日4〜6回に分散することが望ましいとされています。

★インスリン療法
適切な食事療法無効で目標血糖値が得られない場合や、尿中にケトン体という物質が出るときにはインスリン療法が適応になります。また妊娠以前より経口糖尿病薬で治療している場合も、薬によっては胎盤を通過してしまい胎児に影響する可能性がある場合にはインスリン療法に切り替えます。しかし最近は経口糖尿病薬でも胎盤を通過せず、インスリンと同等の治療効果のあるものもあります。
 
   
分娩管理 巨大児で推定体重が4250gを超えている場合には、難産となる可能性を考えて帝王切開術を選択する事があります。
増殖性網膜症がある場合には、眼底出血防止のために帝王切開術または「りきみ」を軽減できる分娩方法をとります。
しかし原則として血糖コントロールが良好な場合、産科的異常が無い限り自然分娩で対応できます。
新生児は生後1〜2時間後に低血糖になるため分娩後1・2・4・6・12・24時間の血糖測定をしながら早期に経口で糖液を与えます。血糖値が30mg/dl以下になる場合には5%ブドウ糖の点滴治療も行います。
 
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