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 骨盤位(逆子)
正常分娩では赤ちゃんの頭が先進部(始めに産まれてくる部位)ですが、骨盤位では赤ちゃんのお尻や足が先進部になっています。
経腟分娩時に骨盤位(逆子)は頭位分娩に比べて胎児に異常が起こりやすく、時には周産期死亡や各種の麻痺などを起こす確率が高いといわれています。それは胎児の身体の中で一番大きな頭が最後に出てくることに起因しています。
さらに分娩中、胎児より先に子宮口と胎児の隙間から臍帯が出てきてしまったり(臍帯脱出)、臍帯が胎児の頭と母体の骨盤に挟まれてしまったりすることにより臍帯血流が遮断されて無酸素状態が起こるからです。
 

分類


単殿位


赤ちゃんのお尻がお母さんの骨盤内に有り先進部になっているものをいいます

複殿位

赤ちゃんのお尻と足がお母さんの骨盤内に有るものをいいます

不全足位

赤ちゃんの足がお母さんの骨盤内に有り先進しているものをいいます
       (両足-全足位、片足-不全足位といいます)

不全膝位


赤ちゃんのひざがお母さんの骨盤内に有り先進しているものをいいます
         (両膝-全膝位、片膝-不全膝位といいます)
頻度と原因 妊娠8ヶ月頃は25%、9ヶ月では7〜10%の赤ちゃんが骨盤位(逆子)であるといわれています。
また、全分娩の3〜4%が骨盤位で内50〜70%が単殿位、5〜10%が複殿位、10〜40%が足位、0.5〜1%が膝位といわれてます。妊娠8ヶ月で25%(4人に1人)もの赤ちゃんが逆子なのに、分娩時には3〜4%(25人〜33人に1人)に自然に減っています。妊娠中期に逆子でもほとんどの赤ちゃんは自然に逆子から戻っています。
しかし以下のような時には自然に戻れないことがあります。

@母体環境 多産婦人、子宮奇形、子宮筋腫、骨盤が狭い、前置胎盤、羊水量が多いまたは少ない
A胎児自身 奇形、未熟児、染色体などの異常、巨大児
B子宮収縮 切迫早産などで常に子宮が収縮していて赤ちゃんが動きにくい
   
診断と管理 超音波診断ですぐに診断は付きます。またお腹(子宮)は上の方が大きく下の方は小さく硬く感じます。胎動は下の方を蹴られるような感覚で上の方は胃が付き上げるような感じがします。妊娠9ヶ月頃までは、自然に元に戻るのを待ちます。9ヶ月後半になっても治らない時には、胎児の背中側を下にして横になり赤ちゃんが戻りやすくしてあげます。(赤ちゃんは体の中で頭が一番重いので、その重みを利用して回転しやすくしてあげます。) 
 
外回転術 骨盤位から頭位へ矯正する方法です。通常は妊娠36週までは自然に矯正されることが多いため妊娠37週以降に行われます。お母さんのお腹の上から術者が両手を使い胎児の頭を下方向へお尻を上方向へ、時計回りまたは反時計回りに回転させます。簡単に矯正する場合もありますが、回転困難な時に何度も無理に行うと胎児仮死、子宮破裂、胎盤早期剥離、前期破水などを起こす可能性もあります。
外回転術に関しての定説はありませんが、以下のことが最小限の条件とされています。

 1)緊急帝王切開術が可能である。
 2)過去に帝王切開術を受けていない。
 3)胎児が成熟している。
 
   
分娩方法の
選択
1)胎児が膝位、足位、低出生体重児、早産、児頭骨盤不均衡などが診断または疑われる場合は、経腟分娩では胎児に致命的な危険が起こる可能性が高いため選択的帝王切開術を行います。

2)経腟分娩と帝王切開術で産まれた赤ちゃんを研究した複数の報告があります。(批判的な報告もありますが・・・)
 ・生後1才までの周産期や新生児死亡、重症な新生児の病気のいずれも帝王切開術の方が経腟分娩の1/3も少なかった。
 ・産後の発熱などは、帝王切開術の方が1.3倍ほど多かった。
 ・1才以降は経腟分娩でも帝王切開術でも、お母さん、赤ちゃんともに大きな差は出ませんでした。
 ・帝王切開術を選択すると、次回のお産も帝王切開術になる可能性は高くなります。
 ・しかし、経腟分娩の方がが帝王切開術よりも予後が良いという報告はありません。

3)現在、単殿位や複殿位のときにどちらを選択すべきかは医学的に決まっていません。どちらを選択しても100%安全なお産はありません。主治医とよく相談していただき、一番安全性の高い分娩方法を選択してください。
 

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